耐熱合金としてのハステロイ
ハステロイ合金についてでは、優れた耐食合金としてのハステロイをご紹介してきましたが、ハステロイシリーズには耐熱用途のものもあります。
耐熱合金=耐食合金?!?
そもそも、(ステンレス鋼も同じですが)耐食性を高める主元素であるクロムは高温における耐酸化性を高める元素でもあります。また、クロム以外の耐食性を高める元素にはニッケル、モリブデン、ニオブ等がありますが、これらの元素は高温強度を高める元素でもあります。
このようにステンレス鋼に含まれる耐食性を高める元素は、一方では耐熱性をも高める元素でもあり、ハステロイは耐熱合金でもあると言っても過言ではないのです。
ヘインズ社の耐熱合金開発
高価なハステロイに通常の耐熱用ステンレス鋼を遥かに凌ぐ耐熱性が求められることは当然であるといえ、ハステロイの開発者であるヘインズ社もこれに応えてきました。ただし、耐熱合金としてのハステロイは一部にとどめ、「ヘインズアロイ」シリーズとしてさまざまな用途で採用されています。このヘインズアロイは、同じ耐熱用途のニッケル合金、「インコネル」や「ナイモニック」の良きライバルであると言えるでしょう。
ヘインズ社の耐熱合金ラインナップ
下記にヘインズ社が製造している耐熱用途のハステロイとヘインズアロイを示します。これ以外の「耐食用途」のハステロイでも高温雰囲気に適している場合がありますので、メーカーに問い合わせされることをお勧めします。
一方、時効処理など、所定の熱処理などを行わないと期待する特性が十分に得られない合金があります。この要否についてもメーカーにお問合せください。
(当サイト耐食鋼・耐熱鋼 相当品一覧表より抜粋)