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PTの疑似指示、なぜ起こる?
PTを適正に行いリワークなどの無駄を省くために、避けて通れないのが「疑似指示(疑似欠陥、という場合もあります)をいかに出さないか」とのテーマです。疑似指示の原因にはさまざまなものが考えられます。本稿ではそのうちのいくつかを挙げます。
過度な検出感度
染色浸透探傷法で本来十分な用途レベルであるところ、蛍光浸透探傷法を選択し、打ちきず、引っかききず、微細なパーティクルまで検出し、過剰な指示数を判定することになってしまった。
不適切な浸透方法の選択
溶接後はつり部などの狭隘部では、余剰浸透液の洗浄が容易な水洗性で行うべきところ、溶剤除去性もしくは後乳化性を適用し、洗浄困難な健全部で指示が発生した。
前処理の不足
検査員あるいは検査補助者が前処理を適切に行わず、油分や付着物などの除去ならびに洗浄もしくは乳化処理を失敗することにより浸透液が試験面に残った。
素地調整の不足
運転開始後の定期的な保守検査などにおいて、試験面が腐食しており、洗浄してもその微細な凹部に浸透液が残存したまま除去できなかった。
洗浄の不足
浸透後の余剰浸透液を、ウエスまたは紙タオルなどに有機溶剤で作られた洗浄液をつけて除去したが,拭きとりには限界があるため、狭隘部や凹部などに残った。
上記の反面、溶剤除去性などの場合、疑似指示模様の発生を恐れて過度に洗浄を行い、過洗浄となって本来の欠陥を見逃してしまう場合もありますので注意が必要です。