Before
高温となる連続炉の炉芯管を製造する際に、耐熱鋼種であるSUS310Sを使用していました。連続炉は連続稼働を前提に設計されているため、生産都合で炉の稼働と停止を繰り返すと変形しやすく、本来の寿命の前に変形で使えなくなってしまうことがあります。そのため、改修や交換が必要となり、多くのメンテナンスコストが必要となります。
コストダウン事例
After
使用材料をグレードアップすることでメンテナンスコストを抑えることができます。当事例では、使用材料を耐熱鋼であるSUS310Sから、より耐熱性・耐酸化性に優れるインコネル600に変更しました。インコネル600に材料を変更することによって炉心管の単価は上がりますが、交換サイクルが伸び、メンテナンスによる停止期間の短縮にもつながり、トータルコストダウンを実現することができます。
POINT
上記のように使用材料をインコネルなどの材料単価の高い素材に変更し導入時コストが嵩んでも、メンテナンスコストを抑えることによってトータルでコストダウンを実現することができます。機器の設計や材料選定はランニングコストを含めたトータルコストで評価することも重要です。
なお、インコネルを始めとする耐熱ニッケル合金の選定に当たっては下記もご参照ください。