耐食鋼・耐熱鋼の許容引張応力

 それでは、JISならびにASMEで規定されている許容引張応力を見てみましょう。

許容引張応力を定める前提条件

 前稿では、許容引張応力は材料ごとに設計温度に応じて変化する、とご説明しました。しかし、規格では、さらに下記の条件に区分した異なる数値が並記されています。

 ①材料の形状区分(板、丸棒、鍛造品、継目無管、溶接管、鋳造品など)
 ②最終仕上げ区分(圧延のまま、熱処理の条件など)
 ③最終製品の寸法区分(板厚、直径など)
 ④使用部材の仕様(ある程度の変形が許容されるかどうか、など)

 これは、たとえ同じ材質であっても製造条件が異なれば異なった機械的性質となったり、用途に応じ設計の考え方を変えたりする必要があることを示唆しています。

耐食鋼・耐熱鋼の許容引張応力

 当サイトでは、数ある耐食鋼・耐熱鋼の中で、このサイトをご覧の方が比較的参照することが多いと思われるものを選び出して許容引張応力を調査し比較することといたしました。
 下記にそれらの材質名と摘要について示します。

各材質の許容引張応力表

前項の条件による許容引張応力表を下記に示します。

許容引張応力表

また、これらをプロットしたグラフを下記に示します。

許容引張応力チャート

 

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