ニッケル合金製鏡板のカンドコロ
鏡板を買う
ニッケル合金製鏡板の調達には二つの方法があります。
材料支給で手配する
一つは、原材料となるニッケル合金板を直接調達の上鏡板メーカーに支給し加工してもらう方法(材料支給)です。まず、加工前の展開寸法(ブランクダイア)をメーカーに確認します。これに基づきニッケル合金板を入手したら、円形もしくは8角形に切断し支給します。ニッケル合金は高価ですので、切抜き後の端材をほかの部品用に利用できるよう、あらかじめ地取り図を作成しておくのがおすすめです。鏡板メーカーに切断を依頼し、出来上がった鏡板とともに端材を返却してもらうこともできますが、その場合は端材の材質識別や寸法の表示方法などについて事前に取り交わしておくことが大切です。
材料持ちで手配する
もう一つは、メーカーに材料の購入もお願いする方法(材料持ち)です。この際、メーカーから提出してもらう鏡板の製作図の中に端材の概略寸法も図示してもらうのがベターです。なお、端材の使い道が当面なくスクラップを処理するルートもない場合はそのまま処分をお願いします。なお、鏡板メーカーによっては端材の再加工を行っている場合もあります。
熱処理をどうするか?
ニッケル合金製鏡板は、多くの場合冷間加工で作られ成形時に熱処理を行いませんが、使用環境によっては材料メーカーの推奨などにより熱処理を行う場合があります。熱処理は費用がかさむと同時に、製品品質にかかわる高度な判断を伴う場合がありますので、事前に材料・鏡板両メーカーとよく打ち合わせましょう。
鏡板メーカーにお願いすること
可能であれば日頃から鏡板メーカーと良いコミュニケーションを取っておき、発注時に適切な依頼ができるようにしましょう。
タンジェントラインを入れてもらう
また、メーカーにタンジェントライン(正接線)や中心点を示すケガキ(鉢巻きなどともいいます)を入れておいてもらうと組み立て時に重宝します。本体の主な長さや位置寸法はこの線を基準にすることが多いためです。鏡板製作図の中にマーキング指示を織り込んでおくとよいと思います。
ガバリ(型板)をつけてもらう
材料確認検査などで湾曲部の形状偏差を測定する必要がある場合はガバリをつけてもらいます。
周長を教えてもらう
なお、接続する胴板との喰違いを避けるためには、鏡板の周長が確定してから胴板の周長を決め成形するのがポイントとなります。特に納期がタイトな場合は、なるべく早く鏡板の周長を伝達してもらい、速やかに胴板の成形に着手できるよう事前にメーカーに依頼しておきましょう。