耐食合金の溶接には上位鋼種を使用する

Before

高ニッケル耐食合金であるハステロイC-22の板材を同じハステロイC-22の溶接棒で溶接を行うと、溶接部が母材に比べて耐食性が低下し、上図のように選択的に腐食してしまうことがあります。

コストダウン事例

After

ハステロイなどの耐食合金をTIG溶接する際、使用環境によっては溶接棒にMAT21などより耐食性の強い材料を使用することで溶接部腐食の低下を抑えることができる可能性があります。

POINT

 一般的に、耐食材の溶接材料には、母材と同じもしくは近い成分のものを選定します。しかし溶接部の選択腐食が顕著な場合、母材より耐食性の高い素材を用いることで寿命を延ばせる場合があります。しかし、その場合でも熱影響部における腐食が問題となる場合は対策とはなり得ず、母材材質の選定からやり直す必要があるので注意しましょう。

 なお、実際に用いる可能性がある溶接材料については下記をご参照ください。
ニッケル及びニッケル合金に用いる溶接材料