Before
クラッド鋼は、ライニング工法とは違い合わせ材と母材がしっかりと密着しているから施工上の心配はないだろうと思われがちですが、溶接部では双方の成分が混じり合うことになるため、設計もしくは施工に不備があると思わぬ腐食のトラブルとなりかねません。
コストダウン事例
After
クラッド鋼同士を突き合わせ溶接する場合は、合わせ材側の最終層が原則として3層以上となるようにします。この開先合わせの際食い違いがあると母材の希釈が多い層が雰囲気に曝されてしまうので、通常より多くのパス数で盛り上げることが必要です。
なお周継手などにおいて、喰い違いを許容値内に収めるため母材部外周面を無理に追い込むと強度計算上の最低肉厚を下回りかねませんので注意が必要です。突き合わせ溶接するそれぞれの胴の周長を製缶前に管理するなどして慎重に開先合わせを行いましょう。
POINT
クラッド鋼は在庫がなく納期がかかるため加工の期間が圧迫されがちです。すると加工の手間を省きたいとの意識が働いた結果不用な喰い違いや不適切な溶接を招き、検査時の公差外れや使用後の腐食などのトラブルとなってしまう場合があります。
このため、開先合わせから溶接の仕上げに至るまで、ソリッド以上に慎重かつ丁寧に計画し施工しましょう。
なお、クラッド鋼及びその加工については下記も参考にしてください。
ニッケル合金のクラッド鋼板について
クラッド鋼製缶のカンドコロ
耐食鋼・耐熱鋼加工.comを運営している都ステンレス工業株式会社では、ニッケル合金の溶接に対する製品事例が多くあります。こちらを参照ください。
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