Before

モネル400は上表のような組成のニッケル銅合金で、多くの腐食環境において耐食性を示します。ハステロイや純ニッケルより早く開発され、溶接性も良いので幅広く用いられています。
しかし、モネル400は炭素鋼やステンレス鋼と直接溶接すると割れを発生する恐れがあります。これは、モネル400に含まれる銅が鉄にほとんど固溶しないためで、上図に示すような異材溶接部で問題となる場合があります。
コストダウン事例
After

組成上相性の悪い金属同士を直接突き合わせ溶接する場合には「バタリング」が有効ですが、モネル400と鋼類の組み合わせではバタリング材として純ニッケルを用います。
一方、ライニングフランジの場合には上右図のような注意が必要です。
POINT
接液部に適した合金と構造部に用いる鋼類の組み合わせによっては、異材継手などで品質上の問題を生じる場合があります。事前にメーカー資料を確認したり事前に溶接施工法試験を行ったりして、問題の発生を未然に防ぐようにしましょう。
異材継手についてはこちらも参照してください。
特殊鋼と一般鋼の異材溶接部は、溶接方法を吟味する