耐食鋼・耐熱鋼の設計上限温度
耐食合金・耐熱合金で圧力容器などの構造物を設計する場合、耐圧強度計算を行わなければなりません。その際必要となるのが、その材料の強度を示す許容引張応力です。これはASME規格の場合、 Sec.II PartD(材料データ集)に同Sec.VIII Div.1(圧力容器構造規格)用の数値が示されています。また、JIS規格の場合はJISB8265「圧力容器の構造」に規定されています。
一方、「圧力容器構造規格」など独自に許容引張応力表を設定する強制規格があればこれに従わなくてはなりませんから注意が必要です。
このように、圧力容器などに使用する材料の選定にあたっては、使用する雰囲気や運転条件だけではなく、こうしたデータがオーソライズされ構造設計ができるかどうかも重要なチェックポイントとなります。
特に耐熱目的で材料を選ぶ場合、まず下記の表で上限温度を確認するようにしてください。
許容応力表の上限温度(ASME/JIS)
註1:番号や合金名称は、耐食鋼・耐熱鋼 の選定(各合金の特徴)に基づいています。
註2:ASME規格の温度は華氏を摂氏に換算(整数に切り捨て)しています。
註3:この表は許容応力が規定されている温度の上限を示しているのみであり、上限温度が高いものが強度も高いとは限りません。